朝起きられない中学生のサインと相談先を解説する記事のイメージ(青い目覚まし時計)

何度起こしても起きられない。やっと起きても午前中はぐったりしている。遅刻や欠席が少しずつ増えてきた。中学生のお子さまのそんな様子に、「夜ふかしのせい?」「それとも怠け?」と迷いながら、この記事にたどり着いた保護者さまは多いのではないでしょうか。まずお伝えしたいのは、朝起きられない背景には、生活リズムの乱れだけでなく、起立性調節障害という体の病気が隠れていることがある、という事実です。

本記事では、札幌で自律神経専門の治療院を営む私たち札幌はるかぜ治療院が、保護者さまが家庭で気づけるサイン、受診の目安と相談先、そして見落とされがちな学校との連携のしかたを、公的な情報に沿って順番に整理します。治療や家庭での生活サポートの詳しい内容は、起立性調節障害の治し方をまとめた記事で解説しているので、本記事では「気づいてから相談につなげるまで」に焦点を絞ります。

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朝起きられない中学生のお子さまをイメージした朝の寝室
朝起きられない日が続くときは、怠けと決めつける前に、体からのサインを確認してみてください。

中学生が朝起きられないのは「怠け」とは限りません

「起きなさい」と声をかけてもまったく起きられない日が続くと、つい本人の気持ちの問題と考えたくなります。しかし、思春期の朝には、本人の意思だけでは動かせない体の事情がいくつも重なっています。

思春期は、睡眠のリズムが乱れやすい年代です

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中学・高校生に8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することを推奨しています(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」PDF)。部活動や塾、スマートフォンの利用などで就寝が遅くなりがちな中学生にとって、この時間を毎日確保するのは簡単ではありません。

さらに同ガイドは、思春期が始まる頃から睡眠・覚醒リズムが後退しやすい、つまり夜型に傾きやすいことを指摘し、週末や休日も普段と同じ時間に起床することをすすめています(出典同上)。思春期の朝のつらさには、こうした体のリズムの変化も関わっています。まずは睡眠時間そのものが足りているかを、親子で振り返ってみてください。

睡眠不足だけでは説明がつかないサインがあります

一方で、睡眠時間を確保しているはずなのに起きられない、というケースがあります。次のような様子があるときは、単純な夜ふかしや睡眠不足とは別の背景を考える必要があります。

  • 早く寝た日でも、朝はほとんど起きられない
  • 午前中は頭痛や気分の悪さでつらそうなのに、午後から夕方にかけて回復してくる
  • 立ち上がったときの立ちくらみやめまいを口にする
  • 起こしても返事はするのに、体が起き上がらない日が続いている

「夕方には元気になる」という姿は、一見すると怠けの証拠のように見えてしまいます。しかし後述するとおり、これはある病気の性質そのものでもあるのです。

背景に隠れていることがある「起立性調節障害」という病気

日本小児心身医学会は、起立性調節障害(OD)を、立ち上がった時に頭痛、めまい、倦怠感などの症状がでる病気で、血圧や心拍数など循環器系の自律神経の調節の不調が原因になると説明しています(出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害」)。同学会によると、有病率は軽症例を含めて中学生の約10%。決してめずらしい病気ではありません(出典同上)。

つまり、朝起きられないのは、やる気や性格の問題ではなく、体の調節機能の問題である可能性があります。この可能性を保護者さまが知っているかどうかで、その後の対応は大きく変わります。

保護者が気づけるサイン|朝以外の症状もあわせて見る

起立性調節障害のサインは、朝の起床困難だけではありません。日中の様子もあわせて観察すると、受診を考える手がかりが増えます。

朝の起床困難とあわせて出やすいサイン

日本小児心身医学会が挙げる症状には、朝の起床困難のほかに、立ちくらみ、失神、気分不良、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復すること、食欲不振、車酔い、顔色が悪いことなどがあります。3つ以上当てはまる場合、または2つでも症状が強い場合に、起立性調節障害が疑われるとされています(出典同上)。

11項目すべてを使ったセルフチェックの手順は、起立性調節障害の治し方の記事に掲載しています。また、立ちくらみやめまいそのものが気になる場合は、めまいと自律神経の関係を解説した記事も参考にしてください。

「夕方には元気」「休日は起きられる」をどう見るか

同学会の解説によると、起立性調節障害の症状は午前に強く、午後に軽減する傾向があります。立ったり座ったりすると症状が強まり、横になると軽くなり、天候や気圧の変化の影響も受けやすいとされています(出典同上)。

夕方に回復して友達と楽しそうに話していたり、ゲームをしていたりする姿を見ると、「本当は起きられるのではないか」と疑いたくなるかもしれません。しかし、午前に悪く午後に回復するのはこの病気の性質であり、夕方の元気は仮病の証拠ではありません。ここを誤解したまま本人を問い詰めてしまうことが、親子双方にとっていちばんつらい展開になりがちです。

受診前にメモしておくと役立つこと

受診を考え始めたら、思い出せる範囲で簡単な記録をつけておくことをおすすめします。診察の場でお子さまの状況を短時間で正確に伝えやすくなります。

  • 就寝時刻と起床時刻(おおよそで構いません)
  • 朝の様子(起こした回数、起きられた日・起きられなかった日)
  • 頭痛・腹痛・立ちくらみなど、本人が口にした症状
  • 遅刻・欠席・早退の日付

完璧な記録である必要はありません。1〜2週間分のメモがあるだけでも、診察の助けになります。

どこに相談する?受診の目安と医療機関で行われること

サインに心当たりが重なったら、次は相談先です。最初の相談先は、専門的な病院を探すより、身近な医療機関で構いません。

まずは小児科・かかりつけ医へ

中学生のお子さまの場合、最初の相談先は小児科やかかりつけ医が基本です。特に次のような状態が続いているなら、受診を検討してください。

  • 朝起きられない日が続き、遅刻や欠席が増えている
  • 立ちくらみ・失神・強い頭痛や腹痛を繰り返している
  • 夜眠れず、生活リズムが昼夜逆転に近づいている

「この程度で受診してよいのだろうか」とためらう保護者さまは少なくありませんが、生活に影響が出ている時点で、相談する理由は十分です。

医療機関で行われることの概要

日本小児心身医学会の解説によると、診断ではまず、貧血や心臓の病気、甲状腺の病気など、似た症状を起こす別の病気がないかを確認したうえで、新起立試験という検査によってタイプを判定します(出典:前掲・日本小児心身医学会)。朝起きられない背景に別の病気が隠れていないかを調べられるのは、検査ができる医療機関だけです。診断の流れや治療の全体像は、起立性調節障害の治し方の記事で詳しく解説しています。

「様子見」を長引かせないほうがよい理由

同学会は、家族の多くがこの症状を精神的なもの・気持ちの問題・怠けととらえがちで、その受け止め方が本人の心理的ストレスとなり、自律神経を介して症状をさらに悪化させてしまうと注意を促しています(出典同上)。

つまり、「怠けかもしれない」という見方のまま様子見を続けること自体が、症状を悪くする方向に働きうるのです。病気かどうかを家庭で見極める必要はありません。見極めは医療機関に任せて、保護者さまは「責めずに、相談につなげる」ことに集中してください。

学校との連携|遅刻・欠席が増えてきたら

受診と並んで大切なのに後回しになりやすいのが、学校との情報共有です。学校の理解があるかどうかで、お子さまの過ごしやすさは大きく変わります。

生活リズムを整えるために朝の光を取り入れた部屋
体調の回復を先に据える考え方を、家庭と学校で共有していきます。

担任・養護教諭に体調を共有する

遅刻や欠席が増えてくると、学校側も理由が分からないままでは対応のしようがありません。受診の予定や診断の結果、朝がつらく午後に回復しやすいといった体調の傾向を、担任の先生や保健室の養護教諭に伝えておくと、校内での見守りや配慮につながりやすくなります。

日本小児心身医学会も、学校関係者が起立性調節障害への理解を深め、受け入れ態勢を整えることを対応のひとつに挙げており、クラスメートの理解を助ける資料「起立性調節障害〜クラスメートに知ってほしいこと〜」も紹介しています(出典:前掲・日本小児心身医学会)。診断がついた場合は、主治医の説明や学会の資料を学校との橋渡しに使うこともできます。

「登校だけをゴールにしない」という国の方針

欠席が続くと、保護者さまとしては「一日でも早く学校に戻さなければ」と焦りが募ります。ただ、国の方針を知っておくと、少し目線を変えられます。文部科学省は「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知(令和元年10月25日)で、支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある、という考え方を示しています(出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」)。

体調が整わないうちから登校日数だけを追いかけるのではなく、体調の回復と本人の生活の立て直しを先に据える。この順番は、学校と話し合う際の共通の土台にもなります。

体調に合う登校の形を、学校と一緒に探す

登校か欠席かの二択で考える必要はありません。午後からの登校、保健室や別室の利用、行事や部活動だけの参加など、体調に合わせた形を学校と相談できる場合があります。何ができるかは学校ごとに異なるため、まずは現状を共有したうえで、「いまの体調でも参加できる形はありますか」と聞いてみてください。主治医がいる場合は、学校に伝えてよい内容を診察時に確認しておくとスムーズです。

家庭でできることの全体像と、保護者さま自身のケア

最後に、家庭での関わりについて、本記事では要点だけを整理します。

治療と生活の工夫は「治し方」の記事で詳しく

日本小児心身医学会は、起立性調節障害への対応として、病気を正しく理解すること(疾病教育)、日常生活の工夫(非薬物療法)、学校との連携、薬物療法などを重症度に応じて組み合わせるとしています(出典:前掲・日本小児心身医学会)。水分と塩分のとり方、起き上がり方、歩行や生活リズムといった家庭でできる具体的なサポートは、起立性調節障害の治し方の記事にまとめているので、そちらをご覧ください。

家族で「体の病気」という理解を共有する

対応の出発点は、特別な技術ではなく理解です。朝起きられないのは怠けではなく体の病気の可能性がある。この認識を、お父さま・お母さまだけでなく、同居のご家族ともできるだけ共有してください。家庭の中に「本当は怠けているだけでは」という視線が残っていると、それが本人へのプレッシャーになり、症状の悪化要因になりうることは、先ほどご紹介したとおりです(出典同上)。

保護者さまだけで抱え込まないでください

お子さまの不調が続く時期は、保護者さま自身も眠れなくなったり、自分の対応を責めてしまったりしがちです。保護者さまの心身が消耗してしまうと、家庭でのサポートも続きません。学校、医療機関、スクールカウンセラーなど、頼れる先は複数持っておくのがおすすめです。保護者さまご自身の体調不良が続いている場合は、自律神経失調症は何科かを解説した記事も参考にしてください。

治療院でできること|医療とあわせた身体面のサポート

私たち札幌はるかぜ治療院にも、起立性調節障害のお子さまや保護者さまからのご相談があります。当院の立場と役割を、正直にお伝えします。

医療の代わりではなく、併用のサポートです

まずお伝えしたいのは、起立性調節障害の診断と治療は医療機関で行うものであり、当院の施術は医療の代わりにはならない、ということです。日本小児心身医学会は2018年に、整骨や整体などの代替療法がこの病気の本質的な病態を改善するとした科学的根拠は確認されていないとする声明を出しています(出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(OD)に対する整骨や整体などの代替療法の効果についての声明」)。

当院はこの声明を前提に、施術で起立性調節障害が治るとはご説明していません。当院がお手伝いするのは、医療機関での治療と家庭でのサポートを土台にしたうえでの、姿勢や体の緊張といった身体面のケアです。役割の違いを分けたうえで、できる範囲で並走します。

親子で通える完全個室。保護者さまだけのご相談も

当院は完全予約制・完全個室で、待合室がないため、他の方と顔を合わせずに過ごせます。思春期のお子さまが人目を気にせず相談しやすい環境です。保護者さまだけの事前のご相談もLINEで受け付けていますので、「まず親だけで話を聞いてみたい」という段階でもご利用ください。場所は札幌市北区、地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分です(院のご案内)。

朝起きられない中学生についてよくある質問

最後に、保護者さまからよくいただく質問にお答えします。

Q. 何科を受診すればよいですか?

中学生のお子さまなら、まずは小児科やかかりつけ医にご相談ください。似た症状を起こす別の病気の確認から、新起立試験によるタイプ判定まで、診断の入口になります(出典:前掲・日本小児心身医学会)。受診の流れは起立性調節障害の治し方の記事で詳しく解説しています。

Q. 夜ふかしによる寝不足と、起立性調節障害はどう見分ければよいですか?

家庭で確実に見分ける方法はありません。目安として、中学・高校生に推奨される8〜10時間の睡眠(出典:前掲・睡眠ガイド2023)を確保しても起きられない日が続く場合や、立ちくらみ・頭痛・午前の不調と午後の回復といったサインが重なる場合は、夜ふかしだけで説明せず、医療機関に相談してください。

Q. 学校にはどう伝えればよいですか?

担任の先生と養護教諭に、体調の傾向(朝がつらく午後に回復しやすいこと)と受診の状況を伝えることから始めてください。診断がついている場合は、主治医から学校に伝えてよいとされた内容や、学会の紹介する資料を活用すると、説明がしやすくなります(出典:前掲・日本小児心身医学会)。

Q. 子どもを連れて行く前に、親だけで相談できますか?

当院では、保護者さまだけの事前のご相談をLINEで受け付けています。お子さまの様子を伺ったうえで、当院がお手伝いできる範囲と、先に医療機関へ相談したほうがよい場合の目安をお伝えします。

まとめ|「起こし方」より先に、「気づき方」と「つなぎ方」を

朝起きられない中学生のお子さまへの対応は、どう起こすかの工夫より先に、背景に何があるかに気づき、適切な相談先につなぐことから始まります。思春期は睡眠リズムが夜型に傾きやすい年代であると同時に、中学生の約10%に見られる起立性調節障害という体の病気が隠れていることもあります。

サインが重なったら、責めずに、小児科・かかりつけ医への相談と、担任・養護教諭への共有を進めてください。登校だけをゴールにせず、体調の回復を先に据える考え方は、国の通知でも示されています。そして、医療と家庭と学校に加えて体の面からのサポートが必要になったときは、私たち札幌はるかぜ治療院も選択肢のひとつとしてお手伝いします。

ご相談・ご予約について

お子さまの体調にお悩みの保護者さまは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院は札幌市北区・地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分、完全予約制・完全個室で、院長の尾池が初回から継続まで担当します(札幌の自律神経専門院のご案内)。ご予約・ご相談はお電話(9:00〜23:00受付)またはLINEから承っています。施術中はお電話に出られないことがありますが、必ず折り返しますのでご安心ください。LINEならメッセージで気軽にご相談・ご予約が可能です(24時間受付・ご返信は営業時間内)。保護者さまだけのご相談も歓迎です。

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おかげさまで多くのご予約をいただいており、施術中はお電話に出られないことがございます。お手数ですが、その際は次のいずれかでご連絡ください。

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札幌はるかぜ治療院 院長 尾池直紀

札幌はるかぜ治療院 院長の尾池直紀
初回から継続まで、院長の尾池が担当します。

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士の資格を持ち、お悩みや生活背景を伺いながら、一緒にできることを整理していきます。臨床経験13年・延べ3万件以上。

院長・施術内容・料金のご案内


※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を行うものではありません。
※施術の効果や経過には個人差があります。症状や経過によっては医療機関の受診をおすすめする場合があります。
※当院は医療機関ではありません。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術を提供しており、診断や投薬は行いません。