めまいや倦怠感、動悸、眠れない日が続き、病院で「自律神経失調症でしょう」と言われた。あるいは、検査では異常がないと言われて、次にどこへ行けばよいのか分からない。そんなとき、「整体は選択肢になるのだろうか」「病院の治療と何が違うのだろう」「両方に通ってもよいのだろうか」と調べている方は少なくありません。最初に結論からお伝えします。自律神経失調症の診断と治療の中心は、医療機関です。整体や鍼灸がその代わりになることはありません。そのうえで、体の緊張や姿勢、睡眠といった体の面を整える併用の選択肢として、治療院を活用いただける場面はあると私たちは考えています。
本記事では、札幌で自律神経専門の治療院を営む私たち札幌はるかぜ治療院が、病院の治療と整体の役割の違い、両方に通うときの考え方、そして「整体」という言葉を選ぶ前に知っておいていただきたい資格の話を、できること・できないことを分けて正直に整理します。自律神経失調症の症状やセルフケアの詳細は自律神経失調症の治し方をまとめた記事を、どの科に相談すればよいか迷っている方は受診先の選び方を整理した記事もあわせてご覧ください。
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結論:自律神経失調症の診断と治療は病院が中心。整体は「併用の選択肢」です
整体の話に入る前に、まず言葉の意味と前提を共有させてください。ここが曖昧なままだと、「整体で何とかなるはず」と期待しすぎたり、反対に「整体は意味がない」と決めつけたりしやすくなるためです。
自律神経失調症とはどういう状態か
厚生労働省の「こころの耳」では、自律神経失調症を、明らかな身体の病気がないにも関わらず、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調と説明しています。症状としては、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などが挙げられています(出典:こころの耳 用語解説「自律神経失調症」)。
また、日本女性心身医学会は、自律神経失調症を交感神経と副交感神経のバランスが崩れた時に生じる病気としつつ、医学的な正式名称ではないとも説明しています。検査で異常が見つからないのに多彩な体の症状が出ること、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴とされ、イライラや不安などの精神症状を伴うこともあるとされています(出典:日本女性心身医学会「自律神経失調症」)。
つまり自律神経失調症は、「体の病気が見つからない不調」に対して使われてきた言葉です。だからこそ、まず病院で体の病気が隠れていないかを確かめることが、整体を考える前の大前提になります。
病院で受けられる治療
医療機関では、どのような治療が行われるのでしょうか。日本女性心身医学会によると、自律神経失調症に対する専門的な治療には、薬物による治療のほか、リラックスすることによって自律神経系の働きを安定させる方法があり、自律訓練法やバイオフィードバック療法といったリラクセーション法が心療内科などで用いられています(出典:日本女性心身医学会「自律神経失調症」)。
また、日本心療内科学会は、心療内科を、人を身体面だけでなく心理面や社会面などを含めて全人的に治療しようとする科と説明し、受診するとまず身体的な診察や検査があり、同時に心理テストや心理・社会面での面接があると案内しています(出典:日本心療内科学会「心療内科とは」)。体の病気の確認、薬による治療、心理面からの治療。これらは医療機関だけが担える役割です。
整体・鍼灸の位置づけ|医療行為ではなく「医療類似行為」です
一方、整体や鍼灸は医療行為ではありません。あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうは、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)に基づく資格制度のもとで行われており、同法第1条は、医師以外の者がこれらを業として行うには、それぞれの免許を受けなければならないと定めています(出典:e-Gov法令検索)。当院のような治療院が提供しているのは、この国家資格に基づく医療類似行為です。診断や投薬はできません。
この線引きをはっきりさせておくことが、治療院を安心して活用いただくための出発点だと私たちは考えています。なお、パニック障害のお悩みで整体を検討している方は、パニック障害と整体の関係を整理した記事も参考にしてください。
病院の治療と整体の違い|役割を表で整理
では、病院と整体では、具体的に何が違うのでしょうか。それぞれの役割を表にまとめました。
| 病院(医療機関) | 整体・鍼灸(治療院) | |
|---|---|---|
| 役割の中心 | 検査で体の病気を確認する/診断/薬物療法/精神療法(リラクセーション法など)/診断書の発行 | 体の緊張や姿勢、呼吸のしやすさなど、体の状態を整えることを目指す施術/生活面の工夫の整理 |
| 診断・薬の処方・診断書 | 医師だけが行えます | できません(主治医の判断領域) |
| こんなときに | 不調が続いている・まだ検査を受けていない・症状が強くなっている | 医療機関で体の病気が見つからなかったあと、主治医に相談したうえで体の面からのサポートを併用したいとき |

病院(医療機関)が担うこと
病院の役割は、まず体の病気が隠れていないかを検査で確かめることです。自律神経失調症という言葉は、前述のとおり体の病気が見つからないことが前提の言葉です。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」は、動悸や呼吸困難があるときはまず内科の診察を受けるよう案内し、甲状腺機能亢進症、不整脈、貧血によって不安が生じることもあると説明しています(出典:こころの情報サイト「不安症」)。症状の似た病気が見つかれば、治療の方向はまったく変わります。そのうえで、必要に応じて薬物療法や精神療法が行われ、仕事や学校に必要な診断書も医師だけが書けます。
整体・鍼灸が担えること
治療院が担えるのは、体の側からのサポートです。院長の尾池は、初回に首や肩、背中の動きを一つずつ確認し、姿勢のくせを見ます。目線が下がり、肩が前に出て、背中が丸くなる姿勢が続くと、内臓が圧迫されて働きが落ちやすいというのが院長の見方です。これはあくまで院長の臨床経験(13年・延べ3万件以上)にもとづく見解であり、すべての方に当てはまるわけではありません。
当院では、あん摩マッサージ指圧・鍼灸の技術と、理学療法士として学んだ姿勢や動作の知識を組み合わせて、体の緊張やこわばりをゆるめ、呼吸のしやすい体づくりをサポートすることを目指しています。あわせて、睡眠や姿勢など、ご自身でできる工夫を一緒に整理します。効果の感じ方には個人差があります。眠りの悩みが中心の方は不眠と自律神経の関係を解説した記事を、日常習慣の整え方は自律神経の乱れの治し方をまとめた記事もご覧ください。
整体・鍼灸に「できないこと」
期待していただきたくない部分も、正直にお伝えします。次のことは、当院を含むどの治療院にもできません。
- 自律神経失調症やその他の病気の診断(診断は医師だけが行えます)
- 薬の処方、減薬・断薬の指示(主治医の判断領域です)
- 検査で体の病気を除外すること
- 「施術を受ければ治る」という保証
自律神経失調症に対する施術の効果について、確立した公的なエビデンスがあるとは私たちは説明していません。だからこそ当院は、施術を治療の代わりと位置づけず、医療機関との併用を前提にしています。
病院と整体、両方に通ってよいのか
「病院に通いながら整体にも行ってよいのだろうか」というご質問は、当院でもよくいただきます。答えと、併用するときの約束事を整理します。
答え:主治医に相談したうえでの併用は、選択肢のひとつです
厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)は、相補(補完)・代替療法について、近代西洋医学と組み合わせることが重要であり、利用に際しては現在の健康状態や受けている治療に影響を及ぼす可能性があるため、必ず主治医に相談するよう案内しています。相談の結果、利用しないという判断もあってしかるべきだ、とも書かれています(出典:厚生労働省eJIM)。
大切なのは順番です。病院の治療をやめて整体に切り替えるのではなく、病院の治療を続けながら、主治医に相談したうえで整体を加える。この順番を守っていただければ、両方に通うことは選択肢のひとつになると私たちは考えています。
併用するときに守っていただきたい3つのこと
併用する場合、当院では次の3点をお願いしています。
- 通院や服薬を、自己判断でやめたり減らしたりしない
- 整体や鍼灸を受ける前に主治医に相談し、受けていることも伝えておく
- 体調の変化は、病院と治療院の両方に伝える
3つ目は、体調の変化を両方が知っていることで、それぞれの立場から次の一手を考えられるためです。「整体に通っていると言いにくい」という方もいらっしゃいますが、主治医に隠す必要はありません。むしろ伝えておくほうが安心です。
先に治療院へ来られた方に、受診をおすすめすることがあります
当院に先にご相談いただいた場合でも、次のような状態のときは、施術より先に医療機関への相談をおすすめしています。
- まだ一度も医療機関で検査を受けていない
- 動悸や息苦しさ、胸の痛みなど、体の症状が強い
- 症状が急に強くなった、種類が増えた
- 気分の落ち込みや眠れない日が続いている
院長の尾池は、先に病院で検査を受けていただいているほうが、当院としても体の面から何ができるかを絞りやすい、と考えています。当院が体の病気の有無を判断することはありません。整体を後回しにしていただくことは、遠回りではありません。何科に相談すればよいか迷う場合は、受診先の選び方を整理した記事を参考にしてください。
「整体」を選ぶ前に知っておきたいこと|資格と法律上の位置づけ
ここまで「整体」という言葉を使ってきましたが、この言葉には知っておいていただきたい注意点があります。
「整体」という言葉には国家資格の制度がありません
消費者庁は2017年5月、「法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に」という注意喚起を公表しました。そこでは、「整体」「カイロプラクティック」「リラクゼーションマッサージ」などを法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術と位置づけ、これらの施術で発生した事故の情報が1,483件(2009年9月1日から2017年3月末までの登録分)寄せられ、そのうち治療期間が1か月以上となる神経・脊髄の損傷等の事故が240件と全体の約16%を占めていると報告しています(出典:消費者庁 News Release 2017年5月26日(大阪市サイト掲載の写し))。
また厚生労働省の通知では、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復以外の医業類似行為について、その施術が医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象になると示されています(出典:厚生労働省「医業類似行為に対する取扱いについて」)。
つまり「整体」は、誰がどのような訓練を受けて行っているのかが、言葉だけでは分からない施術です。整体という看板そのものが悪いわけではありません。当院も整体のメニューを掲げています。大切なのは看板の言葉ではなく、施術者が何の資格を持ち、どのような説明をするかを確かめることです。
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうは国家資格です
これに対して、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は、先ほどご紹介した法律に基づく国家資格です(出典:前掲e-Gov法令検索)。消費者庁の同じ注意喚起でも、「あん摩マッサージ指圧」と「柔道整復」は法的な資格制度がある施術として区別されています(出典:前掲消費者庁)。
当院の院長の尾池は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3つの国家資格に加えて、理学療法士の国家資格を持っています。当院で「整体」と呼んでいる施術は、これらの資格と知識に基づいて行っているものです。
治療院を選ぶときのチェックポイント
消費者庁は同じ注意喚起で、施術を受ける際の注意点として次の4点を挙げています(出典:前掲消費者庁)。
- 疾病がある方は、施術を受ける前に医師に相談する
- 情報を見極めて、施術や施術者を慎重に選ぶ
- 施術を受ける際は、施術者に自分の体調や希望をしっかりと伝える
- 施術を受けた後で異常を感じた場合は、すぐに施設や運営者に伝え、なるべく早く医師に相談する
これに加えて、自律神経失調症のお悩みで治療院を選ぶなら、私たちは次の3点も確かめていただきたいと考えています。
- 施術者が国家資格を持っているか(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師など)
- 「治る」「必ず良くなる」と断定せず、できること・できないことを分けて説明してくれるか
- 病院の治療をやめるよう勧めず、医療機関との併用を前提にしているか
通院や服薬をやめるよう勧める施術者がいたら、その治療院は避けてください。薬の調整は主治医の判断領域であり、施術者が指示することはできません。
私たち札幌はるかぜ治療院の関わり方
ここからは、札幌で治療院をお探しの方に向けて、当院が自律神経失調症のお悩みの方とどのように関わっているかをご紹介します。

初回は生活背景まで伺い、受診状況を確認します
当院の初回は、症状の経過や通院歴だけでなく、家族関係、仕事の内容、普段の生活、趣味まで伺うところから始まります。自律神経の不調は、体の使い方だけでなく、生活の背景と切り離せないことが多いためです。あわせて、病院で検査を受けているか、どのような説明を受けたか、薬を飲んでいるかを確認し、当院が体の面からお手伝いできる範囲をご説明します。
医療機関の受診をおすすめすることがあります
伺った内容によっては、施術の前に医療機関の受診をおすすめすることがあります。当院が診断を行うことはありませんし、医師の説明を否定することもありません。「病院ではこう言われた」という内容を伺い、そのうえで一緒に次の一歩を整理します。
姿勢・ツボ・会話を組み合わせた施術
施術では、首や肩、背中の動きを一つずつ確認して姿勢を整えること、内臓の働きを整えることを目指したツボへの刺激、そして前向きな気持ちで過ごせるよう会話でサポートすることを組み合わせています。この考え方の詳細は自律神経失調症の治し方をまとめた記事で説明しています。当院は完全予約制・完全個室で、営業時間は9:00〜23:00です。場所は札幌市北区、地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分です(院長・施術内容・料金のご案内)。
「卒業」を目標にした関わり
院長の尾池は、不安の強い方から届くLINEのメッセージに一つずつ返信し、ご自身でできるセルフケアをお伝えすることを大切にしてきました。やり取りを重ねるなかで、ご相談の回数が少しずつ減っていくことを、院長は大切な変化として見ています。当院が目指しているのは、通い続けていただくことではなく、患者さまの「卒業」です。
自律神経失調症と整体に関するよくある質問
最後に、自律神経失調症と整体についてよくいただく質問にお答えします。
Q. 整体で自律神経失調症は治りますか?
いいえ。整体や鍼灸で自律神経失調症を治すことはできません。診断と治療は医療機関で行うものです。当院の施術は、体の緊張をゆるめ、呼吸や睡眠といった体の土台を整えることを目指す、医療と併用するサポートです。効果の感じ方には個人差があります。
Q. 心療内科に通院中ですが、整体に通ってもよいですか?
主治医に相談したうえでの併用は、選択肢のひとつです。通院と服薬は続けてください。厚生労働省のeJIMでも、相補(補完)・代替療法の利用前には必ず主治医に相談するよう案内されています(出典:前掲eJIM)。初回に通院状況とお薬の内容を伺い、無理のない施術計画をご提案します。
Q. 整体に通えば薬をやめられますか?
薬の調整は主治医の判断領域であり、当院から減薬や断薬をおすすめすることはありません。薬について不安がある場合は、そのお気持ちを主治医に伝えることをおすすめしています。
Q. 検査では異常なしと言われました。整体でみてもらえますか?
ご相談いただけます。検査で異常がないことは、不調が気のせいだという意味ではありません。当院では医師の説明を否定せず、日常の困りごとを伺いながら、体の面から一緒にできることを整理します。「異常なし」と言われたあとの考え方は、受診先と選択肢を整理した記事にまとめています。
Q. 整体・マッサージ・鍼灸はどう違うのですか?
言葉の使われ方が広く、混同されやすいところです。あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうは法律に基づく国家資格の施術で、「整体」や「リラクゼーションマッサージ」には法的な資格制度がありません(出典:前掲消費者庁)。当院では、あん摩マッサージ指圧・鍼灸の技術と理学療法士の知識を組み合わせた施術を行っています。看板の言葉より、施術者の資格と説明の中身で選んでいただければと思います。
まとめ|病院を主役に、体の面から併走します
自律神経失調症の診断と治療の中心は、医療機関です。整体や鍼灸はその代わりにはなれませんが、主治医に相談したうえで併用すれば、体の緊張や姿勢、睡眠といった体の面から治療を支える選択肢になります。
治療院を選ぶときは、国家資格の有無、説明の誠実さ、医療機関との併用を前提にしているかを確かめてください。まだ検査を受けていない方や症状が強くなっている方は、まず医療機関への相談を優先してください。そのうえで体の面からのサポートが必要になったとき、私たち札幌はるかぜ治療院を選択肢のひとつとして思い出していただければ幸いです。
ご相談・ご予約について
自律神経失調症のお悩みは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院は札幌市北区・地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分、完全予約制・完全個室で、院長の尾池が初回から継続まで担当します(札幌の自律神経専門院のご案内)。ご予約・ご相談はお電話(9:00〜23:00受付)またはLINEから承っています。施術中はお電話に出られないことがありますが、必ず折り返しますのでご安心ください。LINEならメッセージで気軽にご相談・ご予約が可能です(24時間受付・ご返信は営業時間内)。初回の方には特別価格のご案内もしております。
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おかげさまで多くのご予約をいただいており、施術中はお電話に出られないことがございます。お手数ですが、その際は次のいずれかでご連絡ください。
確認後、こちらから必ずご連絡いたします。
※ご予約はお時間に余裕を持ってご連絡いただけますと幸いです。
札幌はるかぜ治療院 院長 尾池直紀

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士の資格を持ち、お悩みや生活背景を伺いながら、一緒にできることを整理していきます。臨床経験13年・延べ3万件以上。
※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を行うものではありません。
※施術の効果や経過には個人差があります。症状や経過によっては医療機関の受診をおすすめする場合があります。
※当院は医療機関ではありません。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術を提供しており、診断や投薬は行いません。



