自律神経失調症とマッサージ。受ける前と後に確かめたいこと

肩や背中のこわばりが抜けず、夜になっても体が休まらない。病院で自律神経失調症と言われた方も、検査では異常がなかった方も、マッサージで少しでも楽になれないかと考えることがあると思います。ただ、受けてもよいのか、どこで受ければよいのか分からず、迷うこともあるかもしれません。

マッサージは、自律神経失調症の治療の代わりにはなりません。受けるのであれば、誰が施術するのか、施術の前に何を確かめるのかによって、安心して受けられるかどうかが変わります。

この記事では、札幌で自律神経専門の治療院を営む私たち札幌はるかぜ治療院が、マッサージを受ける前と後に何を確かめればよいかを、資格の見分け方や相談先とあわせて整理します。病院と治療院の役割分担は、自律神経失調症と整体について解説した記事をご覧ください。

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自律神経失調症でマッサージを受ける前に知っておきたいこと

マッサージを探し始める前に、確かめておきたい前提が3つあります。

マッサージは治療の代わりではありません

厚生労働省の「こころの耳」によると、自律神経失調症は、体に明らかな病気がないのに、自律神経のバランスの乱れを感じて起こる不調のことです。だるさやめまい、頭痛、動悸などが例として挙げられています(出典:厚生労働省「こころの耳」用語解説「自律神経失調症」)。診断と治療を行うのは医療機関で、マッサージがその役割を引き受けることはできません。

厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)が翻訳して紹介している米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)の解説では、マッサージ療法の研究として腰痛や首・肩の痛みなどが取り上げられていますが、自律神経失調症を対象にしたものではありません(出典:eJIM「健康目的でのマッサージ療法:知っておくべきこと」)。当院では、マッサージで自律神経失調症が治るとはお伝えしていません。

受診を後回しにするために使わない

eJIMで紹介されているNCCIHの解説は、医療機関の受診を後回しにするためにマッサージ療法を用いてはいけないと注意しています。まだ一度も医療機関で相談していない方は、マッサージより先に受診を考えてください。

不調の裏に、体の病気が隠れている場合があります。受診先の科で迷うときは、受診先の選び方をまとめた記事が参考になります。

通院中の方は、主治医に一言伝えてから

マッサージが自分の状態に合うか分からないときは、その心配を担当の医療スタッフと話し合うよう、NCCIHの解説はすすめています。通院と服薬は続けたまま、マッサージを受けたいことを主治医に伝えてみてください。病院と治療院に並行して通うときの約束事は、自律神経失調症と整体の記事でまとめています。

「マッサージ」と呼ばれるものには、3つの受け方があります

自分で行うもの、リラクゼーションのお店で受けるもの、国家資格を持つ施術者が行うものでは、資格の有無も、受ける前に確かめたいことも違います。

自分で行うマッサージ リラクゼーションの「もみほぐし」 あん摩マッサージ指圧師による施術
行う人 ご自身・ご家族 お店のスタッフ 国家資格を持つ施術者
法律上の資格 不要 法的な資格制度はない 国家資格(免許が必要)
受ける場所の例 ご自宅 リラクゼーションのお店 届出をした施術所(治療院など)
確かめたいこと 痛むほど強く押さない 体調や希望を、施術者に伝えられるか 免許の有無と、施術の前に体調の確認があるか

どの受け方でも、持病のある方や通院中の方は、あらかじめ主治医の意見を聞いておいてください。

自分で行うマッサージ

首や肩をさする、手首や手の甲のツボを押すといったケアは、思い立ったときに試せます。強く押すほどよいわけではないので、痛みが出るほどの刺激は避けてください。ツボの位置と押し方、控えたほうがよい場面は自律神経を整えるツボを紹介した記事にまとめています。

リラクゼーションの「もみほぐし」

リラクゼーションのお店で受ける「もみほぐし」などは、法律にもとづく資格制度がない施術です。消費者庁は2017年に、整体やリラクゼーションマッサージなど資格制度のない手技の施術について、受ける側への注意を呼びかけています(出典:消費者庁「法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に」2017年5月26日(大阪市サイト掲載の写し))。

お店で受けること自体が悪いわけではありません。消費者庁の同じ注意喚起では、病気のある方に、施術の前に医師へ相談するよう案内しています。

国家資格の「あん摩マッサージ指圧」

あん摩・マッサージ・指圧を仕事として行うには、医師を除き、あん摩マッサージ指圧師の免許が必要です(出典:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 第1条)。

施術所を開いた人は、開設から10日以内に届け出ることも同じ法律で定められていて(第9条の2)、札幌市では市の保健所の担当窓口が届出を受け付けています(出典:札幌市「施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復)に関する手続き」)。

国家資格のある施術者かどうかの確かめ方

厚生労働省は、国家資格のある施術者かどうかを見分けるポイントとして、次の3つを挙げています(出典:厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別について」)。

  • 施術所の看板などに、国家資格を持つ人であることが書かれている
  • 施術所の中に、保健所に届け出た施術所であることや、免許の内容(資格・氏名・登録番号)を記した書面が掲示されている
  • 施術者が「厚生労働大臣免許保有証」を身につけている

こうした掲示は、国が都道府県を通じて施術所にお願いしているもので、様式も地域によって異なります。掲示が見当たらなくても、それだけで無資格とは限りません。

免許保有証は、免許を持つ人が希望して発行を受ける顔写真付きのカードで、全員が持っているわけではありません(出典:東洋療法研修試験財団「厚生労働大臣免許保有証の発行について」)。

看板やウェブサイトで確かめられないときは、予約の前に「あん摩マッサージ指圧師の免許をお持ちですか」と尋ねてかまいません。施術所で掲示や保有証が見当たらないときも、施術の前に同じことを聞いてください。

当院の施術の進め方

院長の尾池はあん摩マッサージ指圧師の免許を持っていますが、当院の施術は、凝った部分をもみほぐすことだけを目的にしたものではありません。施術の前にお話と体の確認の時間を取り、どの方法で進めるかをご本人と相談して決めています。

施術の前に、お話を伺い体の動きを確かめます

当院の初回は60〜70分ほどで、施術の前にお話を伺う時間と、体の状態を確かめる時間を十分に取っています。2回目以降は40〜50分ほどです。

伺うのは症状だけではありません。いつから、どんなときにつらいのか、病院での説明や飲んでいる薬、仕事や家庭での過ごし方まで伺ったうえで、首や肩、背中の動きを順に確かめていきます。まだ受診していない方には、施術を始める前に、まず病院で相談していただくようお伝えすることもあります。

強い指圧や、骨を鳴らす施術は行いません

当院では、強い指圧や、骨をボキボキと鳴らすような施術は行っていません。苦手な施術がある方に、無理にすすめることもありません。

手技・鍼灸・体操を、相談しながら組み合わせます

施術では、あん摩マッサージ指圧の手技、自律神経を意識したツボへの鍼灸、簡単な体操と呼吸法を、その方の状態に合わせて組み合わせます。どの方法を使うかは院長が一方的に決めるのではなく、ご本人と相談して決めています。

体の変化の感じ方は、人によって異なります。当院の考え方は自律神経失調症の治し方をまとめた記事でも紹介しています。

マッサージを受ける前に確かめたいこと

どこで受けるにしても、施術の前に確かめておくと当日の不安を減らせることがあります。

体調と、通院・服薬の状況を伝える

施術の前には、その日の体調と、通っている医療機関、飲んでいる薬、持病の有無を施術者に伝えてください。強さの好みや、触れられたくない部位があれば、それも最初に伝えておきましょう。

消費者庁は、資格制度のない施術を受けるときの注意として、施術者に体調や希望をしっかり伝えるよう呼びかけています。国家資格の施術所で受けるときも、同じように伝えてください。

持病がある方は、先に主治医へ

eJIMで紹介されている「6つのこと」の解説は、訓練を受けた施術者が行えばマッサージ療法のリスクは少ないようだとしつつ、特定の健康状態では注意が必要な場合があるとして、自分にとって安全かどうかを、かかっている医療機関に相談するようすすめています(出典:eJIM「健康を目的としたマッサージ療法について知っておくべき6つのこと」)。

持病で治療を受けている方は、受ける前に主治医に確認してください。また、症状が急に強くなったときや、これまでになかった症状が出てきたときは、施術の予約より先に医療機関で相談してください。

施術者の資格と、回数・費用の説明を確かめる

最初に紹介したNCCIHの解説「健康目的でのマッサージ療法:知っておくべきこと」は、施術を受けようと考えている施術者に、訓練や経験、資格について聞くこと、必要な回数や費用も確かめることをすすめています。予約の前に、資格、施術の内容と時間、料金、通う回数の目安を聞いておくと、当日の不安が減ります。

「必ず治る」と言い切る説明や、病院の治療をやめるようすすめる説明には注意してください。治療院選びで見ておきたい点は、整体の記事で詳しく紹介しています。

マッサージを受けた後に確かめたいこと

施術が終わったあとの体の変化を見ておくことも、次にどうするかを決める材料になります。

eJIMで紹介されているNCCIHの解説では、マッサージ療法のリスクは低いとされる一方、まれに深刻な有害事象が報告されていて、その中には強いマッサージに関連したものもあったとされています。(出典:eJIM「健康目的でのマッサージ療法:知っておくべきこと」)

その日から翌日にかけての体の変化を見ておく

施術のあとは、その日から翌日にかけて、体の痛みやだるさ、眠りの様子に変化がないかを気にかけておきましょう。

痛みや異変を感じたら、施術所と医療機関へ

施術のあとで痛みが強くなった、しびれが出たなど、いつもと違う異変を感じたら、すぐに施術を受けた施設へ伝え、できるだけ早く医師に相談してください。資格制度のない施術についての消費者庁の注意喚起でも、そうするよう呼びかけています。

次の受診で、主治医にも伝える

マッサージを受けたことと、その後の体調の変化は、次の受診で主治医に伝えておきましょう。治療の様子を見ている主治医が知っておくことで、次の受診の時期や治療を考える材料になります。

迷ったときの相談先

困りごとによって、相談する相手は変わります。

困りごと 相談先
まだ受診していない、症状が強くなった 医療機関(内科、心療内科など)
通院中で、マッサージを受けてよいか知りたい 主治医
施術者の資格、施術の内容や料金を知りたい 予約の前に、施術所へ直接
施術のあとに痛みや異変が出た 施術所に伝え、早めに医療機関へ
料金や契約、施術をめぐるトラブル 消費者ホットライン「188」、札幌市消費者センター

体の不調そのものの判断は、医療機関にしかできません。一方で、施術の内容や料金は、施術所に聞かなければ分からないことです。

施術をめぐるトラブルをご自身で解決しにくいときは、消費生活センターなどに相談するよう、消費者庁の注意喚起でも案内されています。消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの窓口につながります(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)。

札幌市内にお住まいの方や、市内へ通勤・通学している方は、札幌市消費者センターの電話相談(011-728-2121。月曜から金曜の9時から19時で、祝日・年末年始は休み)も利用できます(出典:札幌市「消費生活相談窓口」)。

自律神経失調症とマッサージについてよくある質問

マッサージを検討している方から寄せられることの多い質問にお答えします。

Q. 自律神経失調症は、マッサージで治りますか?

マッサージは、自律神経失調症の治療の代わりにはなりません。マッサージ療法の研究として紹介されているのは腰痛や首・肩の痛みなどで、自律神経失調症を対象にした研究は取り上げられていません。診断と治療は医療機関で受け、マッサージは主治医と相談したうえで、体のこわばりをゆるめる方法のひとつとして考えてください。

Q. もみほぐしのお店と、あん摩マッサージ指圧の治療院は、どちらに行けばよいですか?

どちらが合うかは、受ける目的と体の状態によって変わります。通院中の方や持病のある方は、まず主治医に相談してください。そのうえで、施術者があん摩マッサージ指圧師の免許を持っているか、施術の前に体調や通院の状況を確かめてくれるかを、予約の前に聞いてみてください。

Q. 強くもんでもらうほうが、楽になりますか?

強くもんでもらう必要はありません。eJIMで紹介されているNCCIHの解説では、マッサージ療法のリスクは低いとされる一方、まれに深刻な有害事象が報告されていて、その中には強いマッサージに関連したものもあったとされています。痛みを我慢せず、強すぎると感じたらその場で伝えてください。

Q. 自分でできるマッサージはありますか?

ツボを押す(痛気持ちいいと感じる程度まで)、首や肩をさするといったケアなら、ご自身でも試せます。ツボの押し方はツボを紹介した記事をご覧ください。セルフケアを続けても不調が変わらないときは、受診を考えてください。

まとめ|「誰が・何を確かめるか」でマッサージを選ぶ

マッサージは治療の代わりではありませんが、受診状況を確かめ、体調を伝えたうえで受けるなら、体のこわばりをゆるめる選択肢のひとつになります。

選ぶときは、施術者があん摩マッサージ指圧師の免許を持っているか、施術の前に体調や通院の状況を確かめてくれるかを見てください。まだ受診していない方は医療機関へ、通院中の方は主治医への相談から始めましょう。そのうえで、資格を持つ施術者に体の面から相談したいときは、私たち札幌はるかぜ治療院を候補のひとつに加えていただければ幸いです。

ご相談・ご予約について

受けるかどうか迷っている段階でも、当院の施術の内容や進め方についてのご質問を承っています。体の状態から受けてよいかどうかは、主治医にご確認ください。当院は札幌市北区・地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分、完全予約制・完全個室で、院長の尾池が初回から継続まで担当します(札幌の自律神経専門院のご案内)。ご予約・ご相談はお電話(9:00〜23:00受付)またはLINEから承っています。

施術中はお電話に出られないことがありますが、必ず折り返しますのでご安心ください。LINEならメッセージで気軽にご相談・ご予約が可能です(24時間受付・ご返信は営業時間内)。初回の方には特別価格のご案内もしております。

※ ご予約・お問い合わせについてのお願い ※

おかげさまで多くのご予約をいただいており、施術中はお電話に出られないことがございます。お手数ですが、その際は次のいずれかでご連絡ください。

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【院長紹介】自律神経専門 札幌はるかぜ治療院 院長 尾池 直紀

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士の資格を持ち、お悩みや生活背景を伺いながら、一緒にできることを整理していきます。臨床経験13年・延べ3万件以上。

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※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を行うものではありません。
※施術の効果や経過には個人差があります。症状や経過によっては医療機関の受診をおすすめする場合があります。
※当院は医療機関ではありません。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術を提供しており、診断や投薬は行いません。