長期休み明けの子ども。学校に行きたくないと言われたら

夏休みや冬休み、春休み、大型連休が終わるころ、お子さまが「学校に行きたくない」と口にする。理由を聞いてもはっきりせず、どう返せばよいのか分からない。休ませるべきか、送り出すべきか、迷っている保護者さまもいらっしゃると思います。

休み明けの「行きたくない」は、それだけで病気や不登校のサインと決まるものではありません。まずは理由を問い詰めずに話を聞き、体・生活・学校のどこにつらさがあるのかを一緒に整理してみてください。そのうえで、家庭だけで抱えずに学校や相談先とつなぐことが大切です。

この記事では、私たち札幌はるかぜ治療院が、休み明けにお子さまから「行きたくない」と言われたときの聞き方、休み明けの生活の整え方、学校と相談先へのつなぎ方を整理します。朝起きられない、立ちくらみがするといった体の様子が目立つ場合は、朝起きられない中学生について解説した記事や起立性調節障害の記事もあわせてご覧ください。

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長期休み明けに「行きたくない」が出やすい背景

休み明けの「行きたくない」には、いくつかの背景が重なっていることがあり、理由を一つに決めつけないことが大切です。

休み中に、眠る時刻と起きる時刻がずれやすい

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、学校のない休日に起きる時刻を遅らせると、午前中に日光を浴びられず、睡眠と覚醒のリズムが夜型にずれ込みやすくなると説明しています。朝食を抜く習慣も、リズムを遅らせる一因になると報告されています(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版)。

長い休みのあいだ夜型の生活が続くと、休み明けの朝は起きにくくなります。同じガイドでは、睡眠時間の目安を小学生で9〜12時間、中学生・高校生で8〜10時間としています。休み明けの数日は、この時間が取れているかも見てあげてください。

学校に向かう不安が、体の不調として出ることもある

友だちとの関係、勉強や成績、先生とのこと、部活動や行事など、学校に関わる心配ごとは、休みの終わりが近づくと意識しやすくなります。日本小児心身医学会の解説によると、登校への不安に伴って痛みや気分の悪さが出て、学校から離れると軽くなり、登校しようとすると再び出る場合があります(出典:小児心身医学会「不登校」)。

同じ解説では、学校に行けない背景について、原因は多岐にわたり、必ずしも医学的な原因があるとは限らないとしています。

病名に当てはめる前に、話を聞く

休み明けに行き渋ったからといって、すぐに不登校になる、何かの病気があると決まるわけではありません。起立性調節障害などの病名に当てはめて考えるより先に、まずはお子さまの話を聞くところから始めてください。

ただし、頭痛や腹痛、朝のだるさ、眠れないといった体の症状が続くときは、体の病気がないかを確かめるために、小児科やかかりつけ医にも相談してください。

「行きたくない」と言われたときの聞き方

休み明けの朝、時間がないなかで「行きたくない」と言われると、つい理由を問いただしたくなります。最初の会話では、まず落ち着いて話を聞くことから始めてみてください。

まずは理由を問い詰めず、気持ちを受け止める

厚生労働省の「こころもメンテしよう」は、子どものこころの不調に気づいたときの関わり方として、動揺したり感情的になったりせず、落ち着いてじっくり話を聞くことを挙げています。

話を聞くことに集中し、子どもの気持ちに共感して受け止めること、親の意見や思いを押しつけないことも心がけたい点とされています(出典:厚生労働省「こころもメンテしよう」家族で子どもと向きあうポイント)。

「行きなさい」「みんな行っているよ」と説得する前に、お子さまが口にした「いやだ」「不安」といった言葉を、「不安なんだね」と繰り返して返してみてください。気持ちを表す言葉を伝え返すことも、同じページで勧められています。

体・生活・学校の3つに分けて聞いてみる

理由がはっきりしないときは、次の3つに分けて少しずつ聞いてみると、お子さま自身も整理しやすくなります。

  • 体のこと:頭やおなかが痛い、だるい、朝がつらいなど
  • 生活のこと:夜に眠れているか、休み中に寝る時刻が遅くなっていないか
  • 学校のこと:友だち、勉強、先生、部活動や行事で気になっていること

「学校で何かあったの?」のように「うん」「ううん」で終わる聞き方より、「どんなところが気になっているの?」のように、答えを自由に話せる聞き方のほうが、気持ちを言葉にしやすくなります。一度に全部を聞き出そうとせず、話しやすいところからで構いません。

言葉にしにくい子への関わり方

気持ちをうまく言葉にできない子もいます。紙に書いてもらう方法や、これまで困ったことをどう乗り越えてきたかを聞くことも、厚生労働省の「こころもメンテしよう」で勧められています。

聞いた内容は、簡単にメモしておきましょう。あとで学校や相談先に様子を伝えるときに、そのまま使えます。

その日は体調で決め、この先は学校と相談する

その日に休ませるかどうかは、体調を見て決めてかまいません。体調が悪そうな日は無理をさせず、学校に連絡して様子を伝えてください。この先どうするかは、その朝に決めず、学校と相談しながら考えていきましょう。

休み明けの数日間、家庭で整えたいこと

休み中にずれた生活のリズムは、休み明けの数日をかけて少しずつ整えていきましょう。

起きる時刻を、登校日の時刻にそろえる

睡眠ガイド2023は、学校が休みの日も、起きる時刻は登校日と変えずに日光を浴びるようすすめています。休み明けの数日は、登校日と同じ時刻に起きて日光を浴びるところから始めましょう。次の長い休みでは、休み中も起きる時刻を登校日と大きく変えないようにしてみてください。

朝の光と朝ごはんで一日を始める

睡眠ガイド2023のこども向けの推奨では、朝は太陽の光を浴び、朝食をしっかりとり、日中は体を動かして、夜ふかしを習慣にしないことが挙げられています。起きたらまずカーテンを開け、食べられる量で構わないので朝ごはんを用意してみてください。

夜の画面時間を、家族で話し合う

睡眠ガイド2023は、寝る2時間ほど前から眠気を誘うメラトニンというホルモンが出始め、その時間帯にスマートフォンなどの強い光を浴びると分泌が抑えられて、寝つきにくくなると説明しています。休み中に夜遅くまで動画やゲームを見る習慣がついていたら、何時までにするかを、お子さまと話し合って決めてみてください。

毎日のリズムを整える習慣は、自律神経の乱れの治し方をまとめた記事でも紹介しています。

学校とどうつなぐか

家庭で話を聞いても様子が分からないときや、行き渋りが何日か続くときは、学校に相談してください。厚生労働省の「こころもメンテしよう」も、必要に応じてスクールカウンセラーや養護教諭、教職員などに相談するよう勧めています。

最初の相談先は担任。保健室やスクールカウンセラーも頼れる

まずは担任の先生に連絡し、家での様子を伝えてください。保健室の養護教諭や、学校に配置されているスクールカウンセラーも相談先になります。

札幌市教育委員会の保護者向けの案内によると、スクールカウンセラーには子ども本人だけでなく、保護者だけでも相談できます。週1回程度の配置で予約が必要なため、学校を通して申し込みます(出典:札幌市教育委員会 リーフレット「学校が苦手な児童生徒の保護者の方へ」)。子どもや保護者の困りごとを聞き取って支援の計画を立てる、スクールソーシャルワーカーが関わる場合もあります。

学校に伝えるとよいこと

学校には、行き渋りが始まった時期、家での様子、お子さまが話してくれた範囲の理由を伝えてください。家庭で取ったメモが役に立ちます。

お子さまから聞いた話を先生に伝えるときは、先に「このことは先生にも相談したほうがいいと思う」と本人に説明してから伝えるよう、厚生労働省の「こころもメンテしよう」でも勧められています。

学校に行くことだけを目標にしない

行き渋りが続いて休む日が増えてきたときは、登校だけを急がなくてかまいません。文部科学省は、不登校の子どもへの支援について、登校という結果だけをゴールにせず、子どもが自分で進む道を考え、社会の中で自立していけるよう支えることを重視しています(出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日)。

登校の形を学校と一緒に探す考え方は、朝起きられない中学生の記事で詳しく紹介しています。

学校の外にも相談先があります

学校に相談しにくいときや、学校以外の人の意見も聞きたいときは、学校の外の窓口も使えます。札幌市には、保護者が使える窓口と、子ども本人が使える窓口があります。

相談したいこと 窓口 連絡先・受付
登校しぶりや学校生活のことで、どこに相談すればよいか分からない 札幌市教育委員会 教育相談室(市内の小学生から高校生について、保護者・教師が相談できる) 011-671-3210(月曜〜金曜 9:00〜17:00)
友だち関係や親子関係、学校との話し合い方など、子どもに関わる悩み 札幌市子どもアシストセンター(保護者も子ども本人も相談できる。匿名でもよい) 大人用 011-211-3783、子ども専用 0120-66-3783(月曜〜金曜 10:00〜20:00、土曜 10:00〜16:00。日曜・祝日・年末年始は休み)
夜間や休日に、子どもや保護者がすぐに話したい 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省) 0120-0-78310(24時間)
頭痛や腹痛、だるさなど、体の症状が続いている 小児科・かかりつけ医 受診先の医療機関へ

子どもアシストセンターでは、子どものことで困っているが相談先が分からない、子どもにどう関わればよいか迷う、といった保護者からの相談も受けています(出典:札幌市子どもアシストセンター「相談・救済の申立て」)。受付時間や番号は変わることがあるため、利用する前に各窓口のページでご確認ください。

お子さまのことで悩んでいる保護者さまご自身が相談しても構いません。保護者さまの眠りや体調が崩れているときは、ご自身の受診も考えてください。受診先に迷うときは何科に相談すればよいかをまとめた記事を参考にしてください。

早めに相談してほしいサイン

文部科学省は、子どもの自殺が夏休み明けの前後に増える傾向があるとして、長期休業の前後に学校での見守りを強め、家庭での見守りも促すよう教育委員会などに求めています。北海道は夏休み明けがほかの地域より早いため、注意したい時期も早めに来ると考えられています(出典:文部科学省「児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)」令和8年7月3日)。

厚生労働省の「こころもメンテしよう」は、若い人のこころの不調のサインとして、憂うつな気分が一日中続く、好きだったことに興味がわかない、眠れない・寝すぎる、食欲の変化、「死にたい」「消えてしまいたい」と思う、などを挙げています(出典:厚生労働省「こころもメンテしよう」うつ病)。

気分の落ち込みや興味がわかないことを含めて、こうした様子がいくつも重なり2週間以上続くときは、一人で判断せず、学校のスクールカウンセラーや小児科・かかりつけ医などの専門家に相談してください。「死にたい」「消えてしまいたい」と口にしたときは、日数を待たずにすぐに相談してください。

24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は、子ども本人も保護者も、夜間・休日を含めて24時間相談できる窓口です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」でも、LINEなどのSNSやチャットで話せる窓口を探せます。

当院でお手伝いできること

頭痛や朝のだるさ、眠りの悩みなど、中学生・高校生のお子さまの体のつらさが続いているときは、当院でも体の面からのケアをご相談いただけます。病院の診察の代わりにはならないため、受診と並行してご利用ください。病気かどうかの判断は、当院ではできません。

保護者さまだけのご相談も承っています。親子で通える完全個室で、院長の尾池が担当します。

休み明けの行き渋りに関するよくある質問

保護者さまが判断に迷いやすい場面について、Q&A形式でお答えします。

Q. 休ませてもいいのでしょうか?

一律の答えはありません。体調が悪そうな日は無理に登校させず、学校に様子を伝えてください。体調は悪くなさそうでも強く嫌がる日は、その朝に問い詰めず、学校と相談しながら決めていきましょう。

Q. 理由を聞いても話してくれません。

すぐに理由が出てこないことは珍しくありません。問い詰めずに、体・生活・学校の3つに分けて少しずつ聞いてみてください。話しにくそうなら紙に書いてもらう方法もあります。家族以外の大人、たとえば担任やスクールカウンセラーのほうが話しやすい子もいます。

Q. 長い休みのあとは、毎回行き渋ります。

休みのたびに同じ様子が続くときは、次の休みに入る前に担任と話しておくと、休み明けに備えやすくなります。文部科学省も、長期休業の前から面談などで子どもの悩みを把握するよう、学校に求めています。体の症状が続くときは、医療機関でも相談してください。

Q. 札幌で、親が相談できる場所はありますか?

学校の担任やスクールカウンセラーのほか、札幌市教育委員会の教育相談室や、札幌市子どもアシストセンターに相談できます。連絡先は、この記事の「学校の外にも相談先があります」の表にまとめています。

まとめ|聞く・整える・つなぐ

長期休み明けの「行きたくない」は、生活のリズム、学校での心配ごと、体の不調などが重なって出てくることがあります。まずは理由を問い詰めずに話を聞き、体・生活・学校のどこにつらさがあるのかを一緒に整理してください。

休み明けの数日は、目覚ましの時刻と朝の過ごし方を、家族で少しずつ元に戻していきましょう。行き渋りが続くときは学校に相談し、学校の外の窓口も頼ってください。体の症状が続くときは医療機関へ。体の面からのケアも考えたいときは、私たち札幌はるかぜ治療院にお声がけください。

ご相談・ご予約について

お子さまの体調のことでお悩みの保護者さまは、LINEからもご相談いただけます。当院は札幌市北区・地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分、完全予約制・完全個室で、院長の尾池が初回から継続まで担当します(札幌の自律神経専門院のご案内)。ご予約・ご相談はお電話(9:00〜23:00受付)またはLINEから承っています。

施術中はお電話に出られないことがありますが、必ず折り返しますのでご安心ください。LINEならメッセージで気軽にご相談・ご予約が可能です(24時間受付・ご返信は営業時間内)。保護者さまだけのご相談も歓迎です。

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【院長紹介】自律神経専門 札幌はるかぜ治療院 院長 尾池 直紀

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士の資格を持ち、お悩みや生活背景を伺いながら、一緒にできることを整理していきます。臨床経験13年・延べ3万件以上。

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※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を行うものではありません。
※施術の効果や経過には個人差があります。症状や経過によっては医療機関の受診をおすすめする場合があります。
※当院は医療機関ではありません。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術を提供しており、診断や投薬は行いません。