急に心臓がドキドキする。息を吸っても吸い足りない感じがする。心配になって病院で検査を受けたのに、「心臓にも肺にも異常はありません」と言われた。では、この症状はいったい何なのか。そう調べるうちに「自律神経」という言葉にたどり着いた方は少なくありません。院長の尾池の臨床経験でも、動悸や息苦しさのお悩みで来院される方の多くは、先に医療機関で検査を受け、異常なしと言われてから当院を見つけています。
結論から言うと、大切なのは順番です。まず医療機関で、心臓や肺、甲状腺などの病気が隠れていないかを検査で確かめること。そのうえで異常がなければ、自律神経の乱れやストレス、不安が関わっている可能性を考えること。治療院ができるのは、その先の体の面からのサポートです。本記事では、札幌で自律神経専門の治療院を営む私たち札幌はるかぜ治療院が、迷わず救急を呼ぶべきサインから、検査で「異常なし」と言われたあとの考え方、当院にできること・できないことまでを、公的機関や学会の情報をもとに整理します。
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動悸・息苦しさは、まず医療機関で検査を|自律神経を疑う前に
自律神経の話に入る前に、先に確かめておきたいことがあります。動悸や息苦しさは、心臓や肺の病気のサインであることもあるからです。
こんな症状は迷わず119番
総務省消防庁の「救急車利用リーフレット(成人版)」は、ためらわずに救急車を呼ぶべき症状として、次のようなものを挙げています(出典:総務省消防庁「救急車利用リーフレット(成人版)」)。
- 急な息切れ、呼吸困難
- 胸の中央が締め付けられる
- 意識がない(返事がない)
- 冷や汗を伴うような強い吐き気
- 突然のしびれや片方の腕や足の異常、突然の激しい頭痛 など
同リーフレットは、119番通報の判断に迷ったときは救急相談窓口(#7119等)に相談するよう案内しています(出典同上)。いつもの動悸とは違う強さで胸が締め付けられる、息ができない、意識が遠のく。そのようなときは、自律神経かどうかを考える前に、救急へ連絡してください。
動悸の背景にある体の病気
命に関わる状態でなくても、動悸の背景に体の病気が隠れていることがあります。国立循環器病研究センターは、不整脈を、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つ状態と説明し、1分間に50以下を徐脈、100以上を頻脈と呼んでいます。運動や精神的興奮、発熱で脈が速くなるのはだれにでも起こる生理的な頻脈ですが、明らかな誘因がないのに突然脈拍が120以上になる場合は病的な頻脈の可能性があり、動悸や息切れのほかに、時に胸痛やめまい、失神といった症状が出ることがあるとしています(出典:国立循環器病研究センター「不整脈」)。また、脈が飛ぶように感じる期外収縮は30歳を超えるとほぼ全員に認められ、数が少なければ生理的な不整脈といえるものの、期外収縮があると言われたら、原因となる病気がないか一度は調べてもらったほうがよいと案内しています(出典同上)。
心臓以外にも、国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」は、甲状腺機能亢進症、不整脈、貧血によって不安が生じることもあるとして、動悸や呼吸困難があるときはまず内科の診察を受けるよう案内しています(出典:こころの情報サイト「不安症」)。
何科に行けばよいか
迷ったときの目安は「まず内科」です。動悸が中心なら内科や循環器内科、息苦しさが中心なら内科や呼吸器内科が一般的な相談先で、必要に応じて専門の科を紹介してもらえます。日本心臓財団は、胸痛、動悸、息切れといった症状がみられたら様々な検査をして原因を調べ、心臓に原因がある場合には心電図検査や心エコー検査などによって発見されると説明しています(出典:日本心臓財団「心臓に関わる症状」)。何科に行けばよいか迷う場合は、受診先の選び方を整理した記事も参考にしてください。
検査で「異常なし」と言われたら|自律神経・ストレス・不安との関係
検査を受け、心臓や肺、甲状腺などに異常はないと説明された。それでも動悸や息苦しさは続いている。ここから、自律神経の視点で考える段階に入ります。ただし「異常なし」で体の病気の可能性がゼロになるわけではないことも、あわせてお伝えします。

「異常なし」は気のせいではありません
日本心臓財団は、心臓の症状には検査で原因のわからないものもあり、過呼吸症候群による動悸や息切れもあると述べています(出典:前掲日本心臓財団)。なお、過呼吸(過換気)と、不安症・パニック症は同じ病名ではなく、関連することがあるという関係です。それぞれ後の節で説明します。厚生労働省の「こころの耳」は、自律神経失調症を、明らかな身体の病気がないにも関わらず、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調と説明し、その症状のひとつに動悸を挙げています(出典:こころの耳 用語解説「自律神経失調症」)。日本女性心身医学会も、自律神経の乱れによって全身倦怠感、動悸、めまい、胃部不快感などの不定の身体的な訴えが起きると考えられ、症状は人によって様々だとしています(出典:日本女性心身医学会「自律神経失調症」)。
検査で異常がないことは、症状が存在しないという意味ではありません。医師の診察で体の病気の可能性が低いと説明されたからこそ、次の視点に進めます。ただし、検査で確認できる範囲は、受けた検査の種類によって異なります。また、動悸などの症状は、診察の場で出ているとは限りません。国立循環器病研究センターは、日常生活での心電図を24時間記録し、動悸などの症状があったときに心電図がどうなっているかを調べる検査(ホルター心電図)を案内しています(出典:国立循環器病研究センター「ホルター心電図(長時間心電図)」)。「異常なし」と言われたあとも、同じ症状が続く、繰り返す、強くなる場合は、受診した医療機関にもう一度相談し、追加の検査や経過観察が必要かを医師と決めてください。
自律神経と脈・呼吸の関係
なぜ自律神経の乱れが動悸につながるのでしょうか。日本女性心身医学会によると、自律神経のうち交感神経は日中の活動を助ける神経で、とっさの際に血圧や脈拍を上げて活動する体制を整えます。もう一つの副交感神経は休むための神経で、両者はシーソーのようにお互いが協力し合って働いています(出典:日本女性心身医学会「自律神経失調症」(解説))。国立循環器病研究センターも、精神的興奮で脈が速くなるのはだれにでも起こる生理的な頻脈だと説明しています(出典:前掲国立循環器病研究センター)。緊張や不安が続く時期に脈が速く感じられるのは、この仕組みが関わっています。同学会は、仕事や家庭でのストレスが自律神経失調症の外部からの原因になるとし、予防には規則正しい生活とストレス対策が大切だと述べています(出典:前掲日本女性心身医学会(解説))。
息苦しさと過換気(過呼吸)
息苦しさについては、日本呼吸器学会が「過換気症候群」を解説しています。精神的不安や極度の緊張などにより過呼吸の状態となり、血液中の炭酸ガス濃度が下がることで様々な症状が出る状態で、息苦しさ(呼吸困難)を感じるためにさらに何度も呼吸しようとし、手足のしびれなどが起き、そのために不安が強まって悪化する悪循環になると説明されています。自覚症状としては、息がしにくい、呼吸がはやい、胸が痛い、めまいや動悸などが挙げられています(出典:日本呼吸器学会「過換気症候群」)。同学会は、パニック障害や極度の不安、緊張などがきっかけで過呼吸の状態になると説明しています(出典同上)。過換気症候群とパニック障害は同じ病名ではなく、パニック障害などが過換気の背景になることがある、という関係です。
対処についても、同学会の解説に沿ってお伝えします。紙袋を口にあてて吐いた息を再度吸う方法(ペーパーバッグ法)は、かつて広く行われていましたが、低酸素血症の危険があるため近年は推奨されていないとされています(出典同上)。また、不安症やパニック障害などがある方は、それらに対する治療が発症防止に役立つことがあるとも述べられています(出典同上)。ただし、今起きている息苦しさが過換気によるものかどうかは、ご自身では判断できません。急な息切れや呼吸困難は、先にご紹介した救急の判断を優先してください。繰り返し起きる場合の対処法は、自己流で試すのではなく、医師に相談してください。
不安症・パニック症の可能性
動悸や息苦しさが、強い不安とともに突然起きるときは、不安症・パニック症の可能性も考えられます。「こころの情報サイト」は、不安症では不安とともに動悸、呼吸困難、震え、発汗などの身体症状が生じることがあり、特にパニック発作と呼ばれるタイプでは、強い不安と共にこうした身体症状が急激に生じることが特徴だと説明しています。治療には、不安を悪化させる考えや行動を修正していく認知行動療法と、SSRIなどによる薬物療法が挙げられています(出典:前掲こころの情報サイト)。この場合の相談先は心療内科・精神科です。発作の症状や受診の目安は、パニック障害の初期症状をまとめた記事で詳しく説明しています。
院長の尾池が見てきた「来院までの流れ」
ここからは、当院に来院される方の傾向を、院長の尾池の臨床経験からお伝えします。あくまで院長の見解であり、すべての方に当てはまるわけではありません。
検査で異常なし。調べて自律神経にたどり着く方が圧倒的に多い
院長の尾池は、動悸や息苦しさは一度病院で診てもらう方が多い症状だと話しています。循環器内科や呼吸器内科で検査を受け、「何ともない」と言われ、では何なのかと調べるうちに自律神経という言葉にたどり着き、当院を見つける。この流れで来院される方が圧倒的に多いというのが院長の実感です。背景に強いストレスを抱えている方が多い、というのも院長の見立てです。
先に検査を受けていただいているほうが、体の面から考えやすい
当院では血液検査や心電図はできません。だからこそ院長の尾池は、先に病院で検査を受けていただくことを歓迎しています。医師の診察で体の病気の可能性が低いと説明されていれば、「自律神経の乱れやストレスが関わっているかもしれない」と考えを絞りやすく、体の面から何ができるかを整理しやすくなる、というのが院長の考えです。ただし、当院が体の病気の有無を判断することはありません。まだ検査を受けていない方には、施術より先に医療機関の受診をおすすめしています。
更年期の時期と重なる方へ
40代後半から50代の女性で、ほてりや発汗、不眠などとともに動悸がある場合は、更年期の可能性も考えられます。日本女性心身医学会は、更年期障害の身体症状に動悸やめまいを挙げています(出典:日本女性心身医学会「更年期障害」)。この場合は婦人科での検査が出発点になります。詳しくは更年期と自律神経失調症の違いを整理した記事をご覧ください。
治療院にできること・できないこと
ここまでの順番を踏まえて、治療院に何ができ、何ができないのかを整理します。
治療院に「できないこと」
先に、できないことからお伝えします。次のことは、当院を含むどの治療院にもできません。
- 動悸や息苦しさの原因の診断
- 心電図・血液検査などの検査
- 薬の処方や、減薬・断薬の指示
- 発作を止めること、救急対応
- 「施術を受ければ治る」という保証
当院が提供しているのは、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうという国家資格に基づく医療類似行為であり(出典:e-Gov法令検索)、医療行為ではありません。動悸や息苦しさに対する施術の効果について、確立した公的なエビデンスがあるとは私たちは説明していません。
体の緊張と姿勢を整えるサポート
院長の尾池は、初回に首や肩、背中の動きを一つずつ確かめ、姿勢のくせを見ます。目線が下がり、肩が前に出て、背中が丸くなる姿勢が続くと、内臓が圧迫されて働きが落ちやすい、というのが院長の見方です。院長の臨床経験(13年・延べ3万件以上)にもとづく見解で、すべての方に当てはまるわけではありません。当院では、あん摩マッサージ指圧・鍼灸の技術と、理学療法士として学んだ姿勢や動作の知識を組み合わせて、体の緊張やこわばりをゆるめ、背中を伸ばして胸を開きやすい姿勢づくりをサポートすることを目指しています。動悸や息苦しさそのものを施術で治すことはできません。効果の感じ方には個人差があります。
医療機関に通院中の方は、施術を受ける前に主治医に相談してください。厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)も、相補(補完)・代替療法は近代西洋医学と組み合わせることが重要であり、利用する前に必ず主治医に相談するよう案内しています(出典:厚生労働省eJIM)。病院の治療と整体の役割の違いや併用の考え方は自律神経失調症と整体の関係を整理した記事で、パニック障害の方向けの整体の範囲はパニック障害と整体の関係を整理した記事で説明しています。
ご自身でできる工夫
生活リズムや睡眠を整えることは、日本女性心身医学会が自律神経失調症の予防に大切だとする規則正しい生活とストレス対策(出典:前掲日本女性心身医学会(解説))にもつながります。日常習慣の整え方は自律神経の乱れの治し方をまとめた記事で、眠りの悩みは不眠と自律神経の関係を解説した記事でご紹介しています。ただし、動悸や息苦しさが強いとき、初めて起きたときは、セルフケアより先に医療機関へご相談ください。
私たち札幌はるかぜ治療院の関わり方
ここからは、札幌で治療院をお探しの方に向けて、当院が動悸や息苦しさのお悩みの方とどのように関わっているかをご紹介します。

初回に受診状況と検査結果を伺います
当院の初回は、症状の経過だけでなく、家族関係、仕事の内容、普段の生活、趣味まで伺うところから始まります。あわせて、どの科で検査を受け、どのような説明があったか、薬を飲んでいるかを確認し、当院が体の面からお手伝いできる範囲をご説明します。医師の説明を否定することはありません。
施術より受診を優先していただくケース
伺った内容によっては、施術より先に医療機関の受診をおすすめすることがあります。
- まだ一度も医療機関で検査を受けていない
- 動悸や息苦しさが強くなっている、回数が増えている
- 胸の痛み、意識が遠のく感じ、冷や汗を伴う(迷わず救急へ)
- 気分の落ち込みや強い不安が続いている
完全個室・夜23時まで。「卒業」を目標に
当院は完全予約制・完全個室で、待合室はありません。国家資格4種(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士)を持つ院長の尾池が、初回から継続まで担当します。営業時間は9:00〜23:00で、場所は札幌市北区、地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分です(院長・施術内容・料金のご案内)。院長の尾池は、不安の強い方から届くLINEのメッセージに一つずつ返信し、ご相談の回数が減っていくことを大切にしてきました。当院が目指しているのは、通い続けていただくことではなく、患者さまの「卒業」です。
動悸・息苦しさと自律神経に関するよくある質問
最後に、動悸や息苦しさについてよくいただく質問にお答えします。
Q. 動悸や息苦しさは自律神経失調症ですか?
検査を受けずに断定することはできません。不整脈や甲状腺の病気、貧血など、動悸や息苦しさを起こす体の病気があるためです。まず内科や循環器内科などで検査を受け、医師から異常はないと説明されてから、自律神経の乱れやストレスの関わりを考えてください。症状が続く、繰り返す場合は、医師にもう一度相談してください。
Q. 検査で異常なしと言われました。整体でみてもらえますか?
ご相談いただけます。検査で異常がないことは、症状が気のせいだという意味ではありません。当院では医師の説明を否定せず、日常の困りごとを伺いながら、体の緊張や呼吸のしやすさといった体の面から一緒にできることを整理します。
Q. 発作のように苦しくなったときはどうすればよいですか?
胸が締め付けられる、息ができない、意識が遠のく、冷や汗を伴うといった場合は、迷わず119番に連絡してください。繰り返し起きる場合の対処法は、自己流で試さず主治医に相談してください。当院は発作への対応や救急対応はできません。
Q. 循環器内科と心療内科、どちらに行けばよいですか?
まず内科や循環器内科などで、心臓や甲状腺などの病気がないかを確かめるのが一般的な順番です。異常がないのに強い不安を伴う動悸や息苦しさが続く場合は、心療内科・精神科への相談を検討してください。迷う場合は受診先の選び方を整理した記事を参考にしてください。
Q. 動悸があるときに整体を受けても大丈夫ですか?
医療機関で検査を受け、施術を受けてよいか主治医に相談したうえでご相談ください。施術中に強い動悸や息苦しさが出た場合は施術を中止し、医療機関の受診をおすすめします。
まとめ|順番は「検査→異常なしなら自律神経の視点→体の面のサポート」
動悸や息苦しさは、まず医療機関で検査を受け、心臓や肺、甲状腺などの病気が隠れていないかを確かめることが出発点です。危険なサインがあれば迷わず救急へ。検査で異常がなければ、自律神経の乱れやストレス、不安が関わっている可能性を考え、必要なら心療内科・精神科にも相談してください。症状が続く、繰り返す場合は、受診した医療機関への再相談も忘れないでください。治療院ができるのは、その先の体の面からのサポートです。
「検査では異常なしと言われたけれど、つらい」。そのときは、私たち札幌はるかぜ治療院にもご相談ください。医師の説明を否定せず、体の面から一緒に次の一歩を整理します。
ご相談・ご予約について
動悸や息苦しさのお悩みは、お一人で抱え込まずにご相談ください。当院は札幌市北区・地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩1分、完全予約制・完全個室で、院長の尾池が初回から継続まで担当します(札幌の自律神経専門院のご案内)。ご予約・ご相談はお電話(9:00〜23:00受付)またはLINEから承っています。施術中はお電話に出られないことがありますが、必ず折り返しますのでご安心ください。LINEならメッセージで気軽にご相談・ご予約が可能です(24時間受付・ご返信は営業時間内)。初回の方には特別価格のご案内もしております。
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おかげさまで多くのご予約をいただいており、施術中はお電話に出られないことがございます。お手数ですが、その際は次のいずれかでご連絡ください。
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札幌はるかぜ治療院 院長 尾池直紀

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・理学療法士の資格を持ち、お悩みや生活背景を伺いながら、一緒にできることを整理していきます。臨床経験13年・延べ3万件以上。
※本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を行うものではありません。
※施術の効果や経過には個人差があります。症状や経過によっては医療機関の受診をおすすめする場合があります。
※当院は医療機関ではありません。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術を提供しており、診断や投薬は行いません。



